ホーム写真「春の薬膳」説明

春は、一年の内で一番注意が必要な季節と言えます。冬に眠っていた自然界が目覚め、強力な命のエネルギーを発し始めます。吹く風も特徴的で、暖かいそよ風もあれば冷たい北風もあり、さらに吹き上げたりと縦横無尽に春風は動きます。人もそのような自然界の影響を受けるため、自分の中心軸をしっかりさせて翻弄されないようにしましょう。

 

春は、肝の働きが旺盛になり体内の解毒も盛んになります。肝は、伸びやかな状態を好むためちょっとのストレスでも肝の働きを低下させ抑圧状態になりやすいです。そこで、春の薬膳は「疏肝理気」の内容で組み立てました。肝の流れと気の巡りを良くして身体の滞りを無くすることで春を健やかに過ごすことができます。

 

春は危ういため、五行から見ると助けてもらったり(相生)出過ぎをいさめてもらったり(相克)してバランスを取ります。つまり、五味でいえば「酸・苦・甘・辛・鹹(塩)」の全てを程よく使い、ひとつの味だけをたくさん摂るのは避けましょう。春の味は酸ですが、虚弱体質の方は摂り過ぎにご注意ください。

 

今回のメニューのカレーは、香辛料を使って疏肝理気の働きを高めました。香辛料それぞれの説明は省きますが、全体的に身体を温め、肝脾胃の働きを助けてくれます。さらに鶏肉で脾胃の働きを強化しています。香辛料には理気作用もあるので気の滞りを発散してくれます。サラダに使った柑橘ドレッシングは、柑橘の理気作用を。豆腐は脾胃大腸の働きを助け、渇きを癒します。合わせて使ったヒジキは補血し体内の余分な熱を取り去ってくれます。

と、このように春は酸味を主にして他の味もバランスよく取り入れ、旬の食材をいろいろと使ってみてください。